街中や公園など、
比較的どこでも見ることがある鳥として
スズメがいます。
スズメは春先から秋頃にかけて
卵を産んで子育てをしますが、
その途中で何らかの理由により
巣からヒナが落ちてしまうことがあります。
ヒナを保護して飼育する場合、
まずは餌を食べさせ
体力をつけなければいけませんが、
なかなか餌を食べてくれないことも。
助けようと保護したのに
餌を食べてくれないと不安になりますよね。
実はスズメが餌を食べない理由は
いくつかあり、
もしかするとそれが原因かもしれません。
今回はスズメが餌を食べない4つの原因と
解決法について紹介していきます。
スズメが餌を食べない4つの原因とは?
スズメは野生の鳥です。
普段は昆虫や雑草の種を食べていますが、
保護したスズメにそれらを与えるのは難しく、
人工的に似た餌を与える必要があります。
ですが様々な理由から、
餌を食べてくれないこともあり、
どうしたらいいのか
不安になってしまう人も多いようです。
ここではスズメが餌を食べない
4つの原因について解説していきましょう。
1.弱っている
まず考えられる1つめの原因に、
スズメが弱ってしまっていることがあります。
ケガをしたスズメや巣から落ちたヒナは、
体力を奪われ餌も食べられないほど
弱ってしまっていることもあります。
餌を食べない以外の
弱っている時の特徴として、
- 昼間でも目を閉じたままじっと動かない
- 自力で立つてず足に力が入らない
- 餌を食べても吐き出す
- 鳴かなくなった
- 羽全体を膨らませて寒そうにしている
などがあります。
もしこれらの症状が見られたら、
すぐに保温したり、
対策をする必要があります。
3%濃度のハチミツや
砂糖を溶かしたぬるま湯を、
スポイトや箸でクチバシの端につけるように
1~2滴与えるのもおすすめです。
2.与え方が悪い
鳥の親がヒナに餌を与えるとき、
喉の奥を刺激するようにクチバシを入れて
餌を与えます。
これは喉の奥に刺激を与えることで
ヒナが餌と認識して食べる習性があるためです。
そのため口の中に餌を置いただけでは
ヒナには餌と認識されないほか、
器官に餌が入って
窒息してしまう危険もあります。
餌を与えるときは針無しの注射器や、
先の丸いヘラのようなものを使い、
喉の奥に深くに差し込むように与えます。
この時に無理にクチバシをこじ開けると、
クチバシが欠けてしまう恐れもあるので、
クチバシの端に給餌器を差し込んで
開かせて餌を与えてあげてください。
3.嫌いな食べ物だから
餌を食べない理由3つめに、
スズメが嫌いな食べ物な可能性があります。
私たち人間に好き嫌いがあるように、
スズメにも嫌いな食べ物は存在します。
ヒナから育てた場合、
自分で餌を食べられないため
挿し餌という人工的に餌を与えます。
ですが大きくなるにつれ、
野生での食べ物に近い
粟やヒエなどの穀物に切り替えていきます。
食べ慣れない餌は、
餌と認識していないため、
いきなり与えても好き嫌いをして食べません。
まずは興味を持ってもらうために、
スズメは小さな動く物に反応する習性を利用し、
粟玉をスズメの目の前で転がしてみてください。
またシード食に切り替わったときは、
一緒に水も与えるようにしてくださいね。
4.病気の可能性
餌を食べない原因4つめに、
病気の可能性もあります。
野生の鳥は、
ペットの鳥と違い
様々な菌を保有しています。
時にはこの菌や、
保護した際のストレスで
病気になってしまうことがあります。
スズメを保護したとき、
まずは動物病院で診察してもらい、
病気や菌が無いか検索してもらいましょう。
スズメに餌を食べさせるための4つの解決法!
こちらの動画は、
保護したスズメに餌をあげる様子を
撮影したものです。
ここまではスズメが餌を食べないときに
考えられる原因4つを紹介してきましたが、
実際に食べさせるには
どうしたらよいのでしょうか。
次の章からは、
スズメに餌を食べさせるための
4つの解決法について紹介します。
1.スポイトを使う
まず1つめが、
スポイトを使う方法です。
これはスズメがヒナの時にする
挿し餌の時に使えるアイテムで、
スズメの口の奥へ
しっかりと餌を入れられます。
挿し餌用のスポイトは
針無しのシリンジや、
ペット用のフードポンプなどがおすすめです。
2.好む餌を与える
2つめに、
好む餌を与える方法があります。
スズメは昆虫や穀物、
雑草の種などを食べていますが、
果物などの甘いもの好きなようです。
もし餌を食べてくれない時は
ミカンを与えるか、
餌に少し甘味をつけてあげるようにしましょう。
ですが好きな餌ばかり与えるのも、
栄養が偏ってしまう原因になるので、
甘さは徐々に減らしていきます。
またミルワームも好きなようですが、
ミルワームだけではバランスが悪いため、
与えすぎには注意が必要です。
3.体温の調整をする
3つめに体温の調整をする方法があります。
スズメの体温は40度前後ありますが、
ヒナの場合は上手に体温調節ができません。
体温が下がってしまうと弱ってしまい、
餌も食べなくなってしまうので、
電気スタンドや湯たんぽ、
保温電球などで温めてあげましょう。
その際の巣箱の温度は、
毛が生えそろっていないときは
32度~37度くらい、
毛が生えそろっている場合は
30度くらいにします。
また暑すぎる場合は口を開けて翼を少し広げ、
逆に寒い場合は羽を膨らませて
じっとしています。
巣箱の中に温度計を設置し、
常に最適な温度になるように
しっかりとチェックしてくださいね。
4.獣医に相談する
保護してお世話をしていても、
具合が悪くなってしまった場合は
私たちにはできないことも多くあります。
また初めて鳥を保護した人には、
どうしたらいいのか
戸惑ってしまう人も少なくありません。
そこでまずは鳥を診察してくれる獣医に相談し、
アドバイスをもらうのも一つの手です。
専門家からのアドバイスは非常に有用ですし、
具合が悪い場合も
診察してもらうことができます。
まとめ
今回はスズメが餌を食べない原因や、
食べてもらうための解決法について
紹介してきました。
怪我をしたり巣から落ちたヒナは、
弱っていることもあり、
餌を食べる元気がなかったり、
病気や寒さが原因で食べないことがあります。
またスズメは野生の鳥なので
許可なく飼育することはできません。
詳しくはこちらの記事にて紹介しています。
⇒スズメの飼育は許可が必要なの?勝手に飼育した場合の罰則について!
ヒナの場合は数時間食べないだけで
命に危険が及ぶ恐れもあるため、
食べないことは非常に危険です。
ぜひ今回紹介した原因や解決法を
参考にしてみてくださいね。